JFE東日本・大森廉也の足跡―「猛練習」「ドラフト落選」を越え、再び聖地へ

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2019年7月 千葉大会5回戦 東海大市原望洋戦 左から4番目が大森廉也さん

大森廉也 2001年12月30日生。八千代市立大和田中学校出身。

昨年、都市対抗野球での本塁打などでドラフト候補として注目されるも、指名漏れの悔しさを味わったJFE東日本の大森廉也選手。壮絶な高校・大学時代から現在の心境を語る。

◆高校時代の「隠し続けた肘の痛み」と「猛練習」、市立船橋高校への進学理由と当時の葛藤

2019年7月 千葉大会準々決勝 木更津総合戦

 「2学年上の兄がいたこともあり進学しました。投手と外野手を兼任し、途中から肘を痛めていましたが、仲間が厳しい練習に耐えているのに自分だけ痛いとは言えなかったです。限界が来たのは2年秋の木更津総合戦。先発し、1死も取れずに打ち込まれ交代。投手生命は終えて、外野手一本に転向しました」。

◆過酷な日々の練習

 「猛練習がきつすぎて『もちろん甲子園に出場したい。でも、毎日、この生活が続くと思うと逃げ出したい。ここまでやっても甲子園に行けなかったら今までの練習は何だったのか』と思うほど追い詰められていました。高校3年の夏、準々決勝で木更津総合に負けた後、野球を辞めるか、声をかけていただいた大学で続けるか悩んでいた時、主将の森雄輝から『俺も頑張るから一緒に高いレベルに挑戦しよう』と誘われ、力試しに父が卒業した駒大のセレクションを受けて合格しました」。

◆大学4年秋 置き土産となった「1部昇格」。卒業後はJFE東日本に進み、社会人でも継続した理由

 「駒大でレギュラーになれたことと父が社会人野球選手でしたので、同じ道に進みたいと思うようになりました。また、4年間、東京で生活し、千葉に戻りたい気持ちもありました。千葉県内にグラウンドがある企業チームを希望し、幸いにもJFE東日本から声をかけていただきました」。

2023年4月 春季1部リーグ戦 中大戦

◆大学4年時は春に最下位、東洋大との入替戦に敗れ2部へ降格。最後の秋を2部で迎えた時のモチベーション

 「2部降格は4年の責任。自分たちが引退した後の戦力を考えるとしばらく2部を抜け出せない。『1部昇格を置き土産にしよう』と4年が結束しました。歴代の先輩方が築き上げた『強い駒大』の伝統を繋ぐためにも、秋の2部リーグ優勝と1部昇格だけを考えました」。

2023年4月 春季1部リーグ戦 中大戦

◆秋に2部リーグ戦を見事優勝、入替戦の相手は因縁の東洋大。第1戦の相手の先発は北海道日本ハムファイターズドラフト1位の細野晴希投手ではなく3年の岩崎峻典投手

 「ラッキーと思いましたが、負けて後がなくなりました。そこからは必死でした」。
 第2戦の東洋大は細野投手が先発し、早い段階で交代した。駒大は7回までリードを許して苦しい展開となったが、8回に3点差を追い付き、引き分けに持ち込んだ。
 「この引き分けで、少しずつ流れが駒大に来たように感じます」。
 東洋大は第3戦も細野投手が先発し、駒大は2安打と押さえ込まれたが、延長10回2‐1で勝った。

◆1勝1敗1分で迎えた運命の最終戦

 「ここまでの3試合中、2試合は無安打でした。最後は絶対に打って貢献したい気持ちが強かったです。駒大1‐0東洋大と1点リードの6回裏に第1戦で抑えられた岩崎投手から3ランホームランを打ち、4‐0となったときは1部昇格が近づいたと思いました」。
 しかし、入替戦は独特の雰囲気で東洋大は7回と9回に2点ずつを返し4‐4の同点に。第3戦に続き、延長戦に突入した。延長10回表に東洋大が1点勝ち越し、10回裏に駒大は2死1、2塁から代打の原尚輝選手がセンターへのタイムリーヒットで同点。センターからの送球ミスとキャッチャーの捕球ミスも重なり、1塁走者もホームインし、逆転サヨナラ勝ちで駒大は1部昇格を決めた。
 「最後は駒大の執念が上回ったと思います。それくらい奇跡的な勝ち方でした」。

◆ドラフト落選、そして現在の心境―昨年のドラフト会議では指名なし

2024年7月 都市対抗野球1回戦 日本製鉄かずさマジック戦

 2025年の都市対抗野球1回戦のHonda戦で特大ホームラン。準々決勝の王子戦はタイムリーヒットを含む2安打し、チーム唯一の打点を記録した。複数のメディアからドラフト候補選手に名前が挙がったが、ドラフト会議で指名はなかった。
 「当日は指名がなく大泣きしました。プロ野球選手の夢は諦めていませんが、今年は昨年よりいい意味で力が抜けてプレーできています」。

2025年8月 都市対抗野球1回戦 Honda戦でホームラン

◆JFE東日本は都市対抗野球南関東2次予選で敗退、大森廉也選手は日本製鉄かずさマジック(君津市)の補強選手へ

 「今年も東京ドームでプレーできるチャンスをいただけたのは光栄です。補強選手としてのプライドを持ち、プロのスカウトを惹きつける打撃を見せたいです。野球を続けるか悩んでいる時に森雄輝の声かけがなかったら今の自分はいません。森に感謝しています」。
 高校時代の「苦痛」から始まった大森廉也の野球人生は、仲間の言葉や伝統への責任感、そして挫折を味わうたびに強固なものへと変わってきた。
 ドラフト落選の涙を乗り越え、いい意味で脱力した彼が、再び聖地・東京ドームでどんな輝きを放つのか。千葉が誇る強打者の逆襲から目が離せない。 2026年の都市対抗野球は8月26日㈬に開幕し、君津市代表の日本製鉄かずさマジックの1回戦は8月27日㈭第2試合 14時から豊川市代表の東海理化と対戦する。

2026年6月 都市対抗野球千葉1次予選 日本製鉄かずさマジック戦

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