第33回 香りがもたらす効果

Q:  最近、私は職場の人間関係で疲れています。休日にはリフレッシュして気持ちを落ち着けるようにしていますが、何かおすすめのリラックス方法はありますか?(30代女性)

A:気持ちを落ち着ける手軽な方法としては、アロマテラピーなどいかがでしょうか?

 私がカウンセリングをするときは、アロマランプにリフレッシュや鎮静効果のあるペパーミントを2,3滴垂らして部屋に香りを漂わせています。相談者さんは、部屋に入ってくるとまず、アロマの香りに反応なさって気持ちも落ち着くようです。

 アロマには、眠れない時、うつの時、イライラする時など気分が優れない時に気持ちを落ち着けてくれる効果があります。五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の中でも嗅覚は、直接的に人間の本能や感情を支配している大脳辺縁系に届きます。鼻から入ってきた香りはそのまま記憶を司る海馬(かいば)へとどきます。人は、ある香りを嗅ぐと何かを思い出す…といったことがありますよね。香りが海馬にとどいている証拠です。

 また、香りの好みも人それぞれ。蚊取り線香の香りが好きな人は結構いると思いますが、あの香りは子どもの頃の懐かしい記憶を呼び覚ますと言われます。源氏物語や枕草子にも貴族たちが香りを楽しむ様子が書かれています。

みなさんは、「香聞」(こうもん)という言葉を聞いたことはありますか?これは香道ともいい、書道や茶道、華道など、芸能・技芸を日本独自のかたちで体系化した芸道でもあります。

 香道では香りを「嗅ぐ」のではなく「聞く」と表現し、「沈香(じんこう)」などの天然香木の香りを楽しみながら、深い精神世界へといざないます。香木の微妙に異なる香りを聞き分け、ひとつひとつの複雑な香りを追い求めることで感受性を育む。香り、嗅覚というものをこのような芸道にまで昇華させたのは、世界でも唯一日本だけのようです。

 アロマオイル、お香(お線香)、石鹸、シャンプー、入浴剤、乳液など、私たちの身近には様ざまな香りがあります。ぜひ、ご自分のお気に入りの香りをみつけてみてはいかがですか。香りを聞き自分と向き合う時間をつくってみると、香りがこころを優しく包んでくれるはずです。

この記事を書いたライター

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