リレートーク21 印旛龍凰太鼓 代表 岩井美知子さん
生きていることへの感謝と喜びを伝えたい 印西市
「和太鼓の魅力とは宇宙と繋がれること。自分を解放する体験」と語るのは印旛龍凰太鼓(いんばりゅうおうだいこ)代表の岩井美知子(いわいみちこ)さん(78)。日本太鼓財団に所属し、魅力的な演奏に、県内外の一般企業、公的機関からも出演依頼を受けている。団体名は印旛沼の龍伝説から名付けられた。
岩井さんは印旛地区に引っ越して来てPTA役員になり、同千葉大会のアトラクションで和太鼓と出合う。「心を揺さぶられ、どうしても習いたいと思っていたところ、市役所の和太鼓講座を知り、さっそく習い始めた。仕事をしながら子育ての時期とも重なり、多忙を極めたが、太鼓の二文字を見ると何か情報はないかと反応する自分がいた」と、心の奥底にまで届く、太鼓の音に魅せられていた当時を振り返る。
夏祭りの盆踊りで、発表の場が与えられると、様々な人を引き寄せ、和太鼓の演奏を聴いた観客から「ぜひ習いたい。会場は用意する、人も集める」と次々と協力者が現れた。研鑽を積もうと1984年盆太鼓を総州太鼓宗家の貫井武雄氏に、1985年には組太鼓を大江戸助六太鼓宗家小林正道氏に師事するなど、行動派でもある。
練習で大切にしていることは、「自分が太鼓にぶつかって行く姿勢だ。自分が素直になれないと音がはじけない。太鼓の音が抜けることはかなり難しく、ただ強い音だけを打つことはしない。ウソのない自分と向き合うことを心に決めている。お客様は自分の時間を割いていらっしゃる。本当に喜んでいるのか、と常に考え、次の演奏に生かしている」と話す。
流麗にして大胆。激しく燃え立つ打風を身上とし、「和太鼓の素晴らしさをより身近に、より多くの人に」をモットーに、今も研鑽を続ける。同年代の観客からは「勇気をもらえた」、若い人からは「鳥肌が立った」という感想を得ている。
和太鼓の演奏は、20年前は年間80回以上、コロナ禍後は年間20回ほどに減ったが、「生きていることへの感謝と喜びを伝え、命の賛歌を謳い上げ、ただひたすらに一打と向き合っている」と語る岩井さんからは、ほとばしる熱情が伝わって来た。メンバー募集中。
問い合わせは印旛龍凰太鼓(いんばりゅうおうだいこ)ホームページから
●次回は小林順子さんにバトンを渡します。
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