旅スケッチ 勝田台駅と八千代台駅周辺

アートとコーヒーの香りに誘われて

 京成線八千代台駅の改札口横に「ART×CAFEまちなかアートラリー」の冊子を見つけ、手に取った。今日の散歩のガイドにしよう! 

 二つ隣の勝田台駅で下車。改札を出ると、目の前の小さなスペースでは「サークル遊友」が絵画展を開いていた。受付の二人に挨拶をして作品を鑑賞した。

受付のひとり、遊佐冨士子さんから、花の色の出し方や描く楽しさの説明を受けながら楽しい散歩の始まりだ。

 地上に出ると珈琲の香りが漂ってきた。ドリームコーヒー店からで、コロンビアのコーヒー豆を200㌘購入。最近のお気に入りだ。毎朝、ゆったりと香り高い豆を挽くのは、豊かで幸せ時間だ。

 歩道の生い茂る草の中に、夏の名残の朝顔がいくつも花を咲かせていた。目指すアートカフェへ行く途中、「KIN NO HIGE」というワインバルがドアを開けて開店の準備をしていた。

 「ART×CAFEまちなかアートラリー」のイベントは11月24日(月)まで続く。個性的な7店とアート作家7人によってこの期間だけアートギャラリーが、カフェの店内に誕生する。

 カフェと作家の組み合わせは毎年変わる。「カフェピクニック」へ足を踏み入れると、今年は店内に作家ai:さんの作品が展示され、素材や技法に新しい実験的な試みが伺えた。

アートラリーの冊子の、最後のページに今回のスタンプを押し、一軒目が終了。

 次は八千代台駅へ戻った。東口から二軒目のカフェへとゆっくり歩く。パチンコ店、居酒屋、八百屋を通り、路地の奥へ奥へと進むと「喫茶Rio」を見つけた。閉店か?と思ったが、思い切ってドアを押してみた。

アクリル絵画の井上月絵(つきえ)さんと金属工芸の井上郁(かおる)さんの作品が展示されていた。まるで小さな美術館だ!店主の浅井万亀子さんは地元産無農薬野菜を中心にした料理とハンドドリップで入れたおいしいコーヒーを提供している。

 外へ出て、バラの咲く歩道へと足を延した。ピンクダブルノックアウトという面白い名前のバラを見つけた。

花の説明板の縁取りは美しいステンドグラスで作られていたのにも驚いた。

 駅隣接の小さなデパートへ入り、一階のミニ水族館を散歩の終わりとした。

巨大な水槽の前にテーブルと椅子が設置され、市民が寛げる広場となっている。水の中を泳ぐ魚や亀の動きは見ていて飽きない。小さな子どもはガラスに張り付いて自分と同じくらい大きな魚に見入っている。

◆今回の散歩データ:4㌔、徒歩と電車約3時間。
【たっちゃん】千葉県在住。ワインを愛し、テーマに沿って、アートとレコードを楽しむ会を主催する。古書探索と街歩き、料理作りが日課。

この記事を書いたライター

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