脂肪肝には植物性たんぱく質を

DRリポート 260

日本大学松戸歯学部付属病院 内科学教授 中山壽之(なかやまひさし)先生

節分も過ぎて、冬は春へと席を譲ります。長屋の戸口には、ゆうべの豆がまだ転がっております。そこへ、ご隠居と熊五郎が顔を合わせまして。

ご隠居: 熊さんや、ゆうべは年の数だけ豆を食ったかい?

熊さん: それがね、ご隠居。あっしの年の数だけじゃ福が足りねえ気がして、ご隠居さんの分まで食っちまった。今朝から腹が張ってしょうがねえ。

ご隠居: そりゃそうだ。煎り豆は固くて消化に時間がかかる。食べ過ぎりゃ腹にガスも溜まる。

熊さん: 豆も食い過ぎりゃ鬼ですな。

ご隠居: だがな熊さん、大豆そのものは悪くない。植物性たんぱく質の王様で、肝臓にはとくにいい。

熊さん: 肝臓に豆? 初耳です。

ご隠居: 豆腐、納豆、豆乳。煎り豆より消化がよくて、毎日食うならこっちだ。

熊さん: そういや八っつぁんが言ってましたが、酒飲まなくても脂肪肝になるとか。

ご隠居: 最近はそれが多い。酒よりも、食べ過ぎと運動不足。内科学の中山先生も、よく『肥満が一番の原因だ』と話しておられる。

熊さん: 先生のお墨付きですか。

ご隠居: 酒はビール350ml (アルコール20g)まで。それ以上は肝臓が無言になる。

熊さん: 実は赤ひげ先生に『肝臓に脂が付いてる』『脂肪肝だ』『フォアグラだ』って言われまして。

ご隠居: ははぁ、熊さんも仲間入りか。肝臓の細胞が百あるとすると、健康な人でも脂は三つ分ほど。それが三割以上たまった状態が脂肪肝だ。

熊さん: 三割も!? そりゃもう霜降りですな。

ご隠居: エコーやCTで一目瞭然だ。日本大学松戸病院なんぞは、CTで肝臓を上から下までしっかり診てくれる。

熊さん: あの、でっかい機械で寝かされるやつですか。

ご隠居: そうそう。脂がたまると、肝臓が白っぽく見える。放っとくと、冗談じゃなくフォアグラだ。

熊さん: 原因はやっぱり食べ過ぎ、飲み過ぎですかい?

ご隠居: 脂肪肝には三つある。食べ過ぎ型、飲み過ぎ型、そして“ばっかり食べ型”。

熊さん: ばっかり?

ご隠居: 卵だけ、リンゴだけ。極端なダイエットだな。中山先生も『偏った食事は、かえって肝臓を悪くする』と注意しておられる。

熊さん: じゃあ、あっしは……。

ご隠居: 食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足の三点盛りだ。

熊さん: 並盛りで頼んだはずなんですがねぇ。

ご隠居: 日本大学松戸病院じゃ、管理栄養士が食事を丁寧に教えてくれる。豆や魚をうまく使って、肝機能が見違えるほど良くなった人もいるそうだ。

熊さん: かかあと一緒に行ってみますよ。豆腐で肝臓を立て直すって寸法ですな。

ご隠居: そうだ。豆は撒くより、毎日食え——ってな!

おあとがよろしいようで。

日本大学松戸歯学部付属病院☏047・360・7111(コールセンター)☏047・368・6111(代表)

この記事を書いたライター

今月のプレゼント