梅雨時の薄暗い景色を明るくする、ヒペリカムの仲間
新緑の季節もあっという間に駆け抜けて、気づいたらそろそろ梅雨の気配を感じる頃です。この時期に見ごろを迎える花木の代表は言わずもがなアジサイですが、他にもさまざまな花を見ることができます。今回はその中から黄色い花を咲かせるヒペリカムの仲間を紹介します。
ヒペリカムはオトギリソウ科オトギリソウ属に分類される植物の総称で、世界じゅうに約500種あります。代表種のオトギリソウは雑木林周辺の日当たりのよい場所に自生する日本在来の多年草で、東葛地区にも見られます。オトギリソウの名前の由来は、葉やがく、花びらにある黒い点や線から来ています。かつて鷹飼いがオトギリソウを鷹の傷を治す秘薬としてこっそり使っていたところ、弟がその秘密をバラしてしまい、怒った鷹飼いが弟を斬り、その時に飛び散った血が黒点や黒線だというのです。

ヒペリカムとして栽培される花木のうち、比較的よく見かけるのは5種類あります。そのうち古くから栽培されているのは、いずれも中国原産のキンシバイとビヨウヤナギです。
キンシバイは漢字で「金糸梅」と書くとおり、花が丸みを帯びて、黄色い梅花を連想させます。一方のビヨウヤナギは、まるでヤナギのように葉が細長く、また長くのびた雄しべが印象的な花木です。どちらも半常緑で、東葛地区では冬は落葉します。落葉前にはしばしば紅葉するので、秋の姿もチェックしてみてくださいね。
一昔前の公園や植え込みによく植えられたのがタイリンキンシバイ(ヒペリカム・ヒドコート)です。キンシバイよりも花が大きくて見応えがあり、また雄しべが花びらよりもかなり短く見えるという特徴があります。

近年はセイヨウキンシバイ(ヒペリカム・カリシナム)も植えられるようになってきました。枝は地を這うように広がり、大きく茂らないため好まれているのかもしれませんね。雄しべは花びらより短いものの、ブラシのように広がってふさふさとして見えます。
コボウズオトギリの枝は上に向かってのび、その先に黄色い花と赤い実をつけます。これが美しいため花壇や寄せ植えに使われます。
今年の梅雨はアジサイとともに、ヒペリカムの仲間にも注目してみてはいかがでしょうか。

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