口からわかる全身の病気-歯周病がなかなか治らない…もしかして「糖尿病」かも

DRリポート269

日本大学松戸歯学部
有病者歯科検査医学講座教授 深津 晶先生

「しっかり歯みがきをしているのに、歯肉の腫れや出血がひかない」「歯医者さんで治療を受けているけど、歯周病が良くならない」そんなお悩みはありませんか。

歯周病の主な原因は、「プラーク=磨き残し」

しかし、きちんと歯科医院で治療を受け、歯みがきも頑張っているのに歯周病が良くならない場合「全身の病気」が関係していることがあります。「糖尿病」の可能性です。
 糖尿病は血液中のブドウ糖をうまく代謝(エネルギーとして使うなど)することができない病気です。そのため血液中の糖「血糖」が高い状態が続くと、その結果様々な合併症を発症します。

 「歯肉と血糖って関係あるの?」

実は、大いに関係があります。血糖値が高い状態が続く「糖尿病」は、免疫力が低下し細菌と闘う力が弱まります。また、口の中が乾燥しやすく、歯肉の毛細血管がダメージを受けるため、歯周病菌が繁殖しやすい環境になります。
逆に、歯周病はプラークに増殖する細菌によって歯肉に炎症が起きます。その炎症の面積は重度になると、大人の手のひらくらいの面積になると言われております。手のひらサイズの炎症が常に体に存在するって…恐ろしいですよね。その炎症により炎症物質がつくられて全身に運ばれます。この物質が、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを妨げ、結果として高血糖状態が続きます。

「糖尿病」と「歯周病」の悪循環

つまり、「糖尿病があるから歯周病が治りにくい」「歯周病があるから血糖値が下がりにくい」という困った“悪循環”が生じるのです。 「歯ブラシ頑張っているのに、歯周病が良くならない」と思ったら、健康診断の結果を確認してみてください。
 特に、血液検査の「血糖値」「HbA1c」、尿検査の「尿糖」「尿ケトン体」に注目してください。血糖値は、採血した時の血糖がわかり、HbA1cは過去1~2カ月の血糖の状態を反映する検査です。一方、尿糖は、血糖値が高いと尿中に糖が出てきます。尿ケトン体は糖をエネルギーとして使えないとき、脂肪をエネルギーとして使いその結果ケトン体が尿中に出ます。つまり、「血糖値」「HbA1C」が高い、「尿糖」「尿ケトン体」が多く検出されると「糖尿病」の可能性があります。

 「歯周病」と「糖尿病」の治療は、車の両輪のような関係

血糖値が安定したら、驚くほど歯肉の状態が改善した。逆に、歯周病治療をしっかり受けたら、糖尿病の数値が改善したという報告がたくさんあります。「たかが歯周病」と思わず、お口から全身を、全身からお口の観察を!健康診断の結果と、お口の状態。別々に見えて、実はつながっているのです。
■日本大学松戸歯学部付属病院☏047・360・7111(コールセンター)☏047・368・6111(代表)

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