『税についての作文』受賞中学生が柏税務署一日税務署長就任!

東葛まいにち

柏税務署管内納稅貯蓄組合連合会 (富澤和春会長)が、次代の日本を担う児童や生徒が税について関心を持ち、正しい理解を深めることを目的として、『税についての作文』を募集。

柏税務署管内の3市 (柏市、我孫子市、野田市)の中学30校から1,789編の応募があり、「柏税務署長賞」を受賞した、野田市立北部中学校3年 渡辺 羽都 (わたなべはねと)さんと、学校法人芝浦工業大学 芝浦工業大学柏中学校3年伊藤来実 (いとうくるみ)さんが、令和7年12月10日、柏税務署の一日税務署長就任。署長室での署長業務体験や署内視察、税務職員の前で署長訓示 (受賞作文の朗読) などの業務を行った。

受賞作品とコメント

税のバトン 野田市立北部中学校 3年 渡辺 羽都

 最近、ニュースや両親の会話の中で「税」という言葉をよく耳にする。それも日本国内だけでなく、世界中で 「関税」などが話題になっている。どうやら税は世界に大きな影響を与える力を持っているらしい。そのとき私はふと考えた。そもそも税とは何なのだろうかと。

 税とは何かを考える中で歴史好きの私は、飛鳥時代に作られた「租・調・庸」がまず思い浮かんだ。この税制は、人民が中央政府に対して穀物や布を納めたり、兵役を負ったりすることをもとに、政府が国を運営するというものだ。現代社会でも国民が税金を国に納め、国の代表が国民の意見を反映しながら、その税金により国づくりをしてる。遥か昔から今日に至るまで、税の持つ意味を考えてみると「豊かで公平な国」をつくるために使われているということではないだろうか。

 税金の使い道として、例を挙げるとすれば学校をはじめとした公共施設などがある。これらの公共施設は、国民の税金で設立・運営されているが、国民が平等に利用でき、「豊かで公平な国」をつくるという理念のもとに使われていると思う。しかし、もし税がなかったら国を支えるものがなくなり、行政の仕組みもうまくいかないのではないか。このことから税とは国を支え、充実させるためのものだとわかった。

 私の中学校では、最近、体育館の空調設備の工事が始まった。

 私は、この夏に引退するまで卓球部に所属していた。 卓球というスポーツの性質上、窓を開けて風が入るとプレーに支障が出てしまう。そのため、練習中は真夏でも窓は締め切り、十分な換気ができず、熱中症になってしまうと感じるほど暑い。しかし、体育館にクーラーがつくという話を聞いて、「あと一年早く工事が始まっていれば・・・」と思ってしまった。自分のことだけを考えてしまったが、よく考えると今後、中学校の後輩たち、地域の方々、もしかしたら将来自分の子どもも空調設備の整った体育館を使えるようになる。そのように考えると今、 工事が始まることがとてもうれしく思えた。

 私は三年生であと半年ほどで卒業してしまうのでクーラーの恩恵を受けられないが、次の世代まで継続的に恩恵を受けることができる。この思恵の連鎖、言わば 「税のバトン」は、はじめにふれた飛鳥時代の「租・調・庸」から今の時代まで途切れることなく、時代に適応して受け継がれてきた。次は私たちの世代が、前の世代から受け継いできた税の恩恵を次の世代に渡すことが役目なのだと思う。また、自分が税を納める立場になってもこのバトンを忘れずに税と向き合っていきたい。

歴史が好きで、学校で習った飛鳥時代の「租・調・庸」を思い出し、『税』は、飛鳥時代から今までつながっているバトンだと考えました。昔からずっと今まで繋がっていて、今も自分の親の世代とかも、これから先の世代にもつながっているということを思ったのでこの作文を書きました。

税務職員の前で署長訓示の様子

税金と環境のために私ができること 学校法人芝浦工業大学 芝浦工業大学柏中学校 3年 伊藤来実

 みなさんはペットボトルを捨てるときどうしていますか? 私は、ラベルを燃えるごみに、キャップは保管し溜まったらスーパーに設置されている回収ボックスに、ボトルは中をすすいで潰し、地域で決まった収集日に資源ごみとして出している。言葉で聞くと細かくて煩わしいように感じるが、一人ひとりのこのひと手間が税金を無駄にしないことに繋がるのだ。私がそのことを知り、分別を積極的に始めたのはごみ拾いボランティア活動に参加したことがきっかけだった。街をきれいに保つためにこみを回収し処理するには多くの費用がかかり、それは税金だと学んだからだ。

 ごみ分別をせず捨てると、ペットボトルは燃やすごみとして焼却施設に運ばれ焼却されてしまう。燃やすごみを処理するには、ごみの収集に関わる人件費、ごみ収集車の燃料費、ごみ焼却施設を動かす費用、修理費用など多くの税金が使われる、資源になるものが税金を使ってごみとして処理されるのは税金の無駄遣いに他ならない。

 また、ペットボトルを専用のごみ箱に捨てるだけではごみ分別をしたことにはならない。回収されたペットボ
トルは、リサイクル工場でペットボトルとそれ以外の異物に分別し、その後、中に異物が入っていないかを確認する。異物が混ざっている場合はリサイクルしにくくなるので洗浄して取り除き、さらに、ラベルが付いたままのものは外す。 これらの作業は全て清掃員が手作業でおこなっていると知り驚きを隠せなかった。正しい分別がされていないと、多くの人の手を介すこととなり不要な税金が使われてしまうのだ。

 さらに、ポイ捨てや不適切な処理がされたペットボトルは、雨に流されて川に入り、海まで流れていく。一つくらい大丈夫だと思って捨てたペットボトルが大量のごみとなり海を汚している。世界の海に存在しているプラスチックゴミは一億五千万トンとも言われ、そのうちの八割が陸からの川を伝って海に流れ出したものとされる。 海の環境を守るため、限られた税金で海に浮遊するごみを清掃船で回収し、海岸に流れついたごみを一つ一つ手作業で拾っている。

 しかし、ごみの流出量の多さに回収が追い付かず多くのごみが海や海岸に残っているのが現状だ。ペットボトルは紙や木材と違い微生物によって分解されずに何百年も海に残り、海の環境に深刻な影響を及ぼし続けることになる。分解されないプラスチックは、海を漂ううちに小さく砕かれ、それを海の生物がエサと間違いして食べてしまい、巡り巡って私たち人間の体の中にも入ってきている可能性がある。

 ペットボトルを捨てる時の一人ひとりの心がけによって、海の環境と私たちの健康を守り、ごみを減らし、税金の無駄遠いを減らすことに繋がる。そして、削減された税金は、福祉や教育の分野をはじめ、幅広い分野で有効的に活用できると考える。

ボランティアに参加したときポイ捨ての量の多さと、それを自分たち一人一人の心掛けによって減らす事ができるということを学ばせてもらい、そのテーマで書くことで、友達やこれを見てくれた人の心掛けによって、税金がもっといい方向で使えたらなという思いで書きました。

就任式の様子

この記事を書いたライター

今月のプレゼント