
深刻な海の砂漠化「海の森づくり」に挑む

海洋環境研究者 堀田健治さんらの挑戦 習志野市


近年の著しい気候変動により、海水温の上昇や、海の栄養不足で千葉県内でも「海の砂漠化」が進行している。海藻が消え、生態系が深刻な危機に瀕する中、習志野市在住の海洋環境研究者で日本大学名誉教授の堀田健治さん(79)らは、この現状に立ち向かっている。会長を務める「海の森づくり推進協会」の会員や地域住民の力を結集して、長年の知見と海への情熱で海の再生、ひいては「習志野コンブ」の再生に挑んでいる。
堀田さんは日本大学で建築、ハワイ大学で海洋工学を学び海上都市構想を抱き、日大学海洋建築工学科教授として、長年教鞭を執って来た。現在は「海の森づくり」、特に「習志野コンブ」の育成活動に尽力している。
これまで海藻減少のメカニズムと解決策の研究で藻類育成や津波対策にもなる球状コンクリートブロック「リーフボール」や筏(いかだ)による浮き型育成施設による藻類の育成実験は各地から多くの協力者が参加して成果を上げている。その様子は協会のホームページでも確認できる。
来年、再び習志野市の茜浜でコンブによる海の森づくりに挑む。海藻を増やし、海をきれいにし、豊かな生態系を取り戻した暁には、「習志野コンブ」に地域活性化の大きな夢を託している。「ふるさと納税返礼品や市内飲食店でのフェアなどで地域を盛り上げたい。おすすめの食べ方はコンブのしゃぶしゃぶです」と堀田さん。

来年こそは、堀田さんらの粘り強い挑戦が実を結び、習志野の海で育った「習志野コンブ」の収穫を心待ちにしたい。
▽問https://www.kaichurinn.com/「海の森づくり推進協会」お問い合わせフォームから。
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