リレートーク22 小林順子さん
最初の一歩を踏み出せば、繋がって行く
成田市
画廊「杜のギャラリー海」のオーナーであり、美術団体「ルシャキパル」の主宰者、小林順子さん。画廊を拠点として地域と連動しながら活動を展開する小林さんは「好きなものに囲まれて暮らしたい、が出発点だった」と語る。
同ギャラリーは京成線「公津の杜駅」から徒歩5分の住宅地の一角にある。自宅のガレージを作り変え、小さな空間にアート作品を展示。「躙り口(にじりぐち)から茶室へ入る気持ちで扉を開けてほしい。地域の作家も一流の作家も差別なく展示する。作家は一人で活動しているので、お客さんや他の作家との交流も積極的に後押したい」。
美術団体「ルシャキパル(Le Chat qui parle)」はフランス語で喋ることが出来る脳を持つ進化した猫という意味。創作が大好きな人々が集まるこの美術団体は「日々の生活がアートになった」がコンセプト。展覧会、子どもたちとのワークショップ、美術講演会、音楽会、絵画教室、ボランティア、地域イベントへの参加など、多方面の活動を展開する。

東日本大震災が起きた当時、友人でいつも活動を応援してくれる高野章子さんは被災地の人たちのために何かをしたいと、小林さんを訪ねて来た。二人は中古のネクタイの提供を呼び掛け、ポーチを作り、その売り上げを支援金として被災地に送る活動を考えた。20名以上のメンバーで始動。ネクタイポーチ作りは月2回のペースで活動を続け、健康福祉まつりなどで募金活動も行っている。
多方面に活動するときに中心となり、人と人を繋げている小林さん。「人を呼べるものは何かとアイデアを練るのが好き。どうしたら楽しめるのかといつも考えている。誰もが得意な分野があり、それらを組み合わせて進んで行く。最初の一歩を踏み出せば繋がって行くものです」。
ある展示会の最終日に作品の販売が思わしくなく、作家さんたちが沈んでいた。偶然、小林さんの知人のチェリストが訪れて、室内でチェロの演奏が始まった。終了後、室内にいた人びとは晴れやかな表情を取り戻し、幸せな気分に満たされていたという。「私の前に奇跡のように人物が現れ、事が進んで行く」とほほ笑む。現在は不思議な人形たちの世界を、糸や布など、雑多なものを集めて創作する「畠山登美恵展」を開催中、今月10日(水)まで。
■次回は横州かおるさんにバトンを渡します。
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