Vol.19 野田市立南部中学校出身 川鍋正樹(かわなべ まさき)さん

来年還暦を迎える川鍋正樹さん。東葛駅伝は第33回大会(1979年・昭和54 )から3年連続(3区、10区、1区)で出走した。

◆東葛駅伝の思い出

1年時は10人の選手選考で最後の1人として選ばれました。2年時は10区1位でタスキを受け1位でゴールしましたが、当時は前半3区間、後半7区間に分かれていて、結果的には前半3区間のタイム差により総合2位となりました。残念でしたが、ゴール直前まで競った相手が東葛地区No.1選手でその選手と互角に戦えたことが大きな自信になりました。

3年時は各校のエースが集まる1区で区間2位。総合3位。最低限の責任を果たすことができました。

第35回東葛駅伝(1981年)1区を走る川鍋さん(緑色のユニフォーム)

中学時代は量、質ともにレベルの高い練習をこなしていたと思います。2年時は1500mの県のランキングが2位、県駅伝でも区間賞を獲得するなど、順風満帆に進んでいました。しかし、2年生の終わりに腰を痛めて、3年生前半のトラックシーズンで試合に出場できず、悔しい思いをしました。夏以降にこれを取り戻すべく、試練を乗り越え駅伝シーズンに復活できたことが大きな思い出として心に残っています。

第35回東葛駅伝 チーム集合写真


◆野田南部中から習志野高校へ

顧問の松本義博先生からの勧めもあり、野田南部中から初めて習志野高校へ進学しました。部員数は少ないものの、各学年に全国トップレベルの選手が揃っていたことも進学の決め手となりました。入学後の練習量は想像以上に多く、精神的にも鍛えられました。

関東高校駅伝(1984年)4区 

県高校駅伝では1年生で長距離区間の4区を任され、区間2位で走れたことや全日本クロスカントリーで6位入賞を果たせたことはその成果だと感じています。2年時は実業団や大学生が主に選ばれる東日本縦断駅伝(青東駅伝)に最年少で出場。また、県の選抜で日中友好駅伝に出場するため、中国に遠征をしました。3年時は念願の全国高校駅伝に出場し、県大会の予選タイムが全国トップで注目されたのを覚えています。

全国高校駅伝集合写真 中列左から3番目が川鍋さん



◆高校時代の仲間と専修大へ
専修大への進学は、駅伝でも活躍した有力選手が数多く在籍していることや、箱根駅伝の常連校であることに魅力を感じ、また同期の世界選手権にも出場した奥山光広君が進学を決めていたことも決め手の一つとなりました。
大学では箱根駅伝を4年連続で走ることが目標でした。1年時は同期で唯一メンバーに選出され10区を任されていましたが、直前に高熱を出して走れず悔しい思いをしました。

2年時は再び10区での出走を果たすことができました。体調が良かったこともあり区間賞を狙う気持ちでペースを刻みましたが、後半に足の痙攣が止まらず失速して悔しい結果でした。

第63回箱根駅伝(1987年1月)10区

3年時は4区を走りましたが、思うような走りができず、チームもシードを獲得できませんでした。

4年時は箱根駅伝予選会からのスタートでした。1、2年を多く起用し、私自身がその先頭に立ちペースを作りました。想定よりも予選通過ラインが速かったため予選会を通過できず、不完全燃焼のまま競技人生を終えました。

第64回箱根駅伝(1988年1月)4区

中学、高校時代に豊富な練習量をこなせたので、大学進学後に練習量で苦しんだことはありませんでしたが、怪我で悩んだ時期はありました。幸いにも指導者やケアをしていただける方とのご縁があり、乗り越えることができました。決して諦めなかったことが、競技を最後まで続けられたことに繋がったと思います。

関東インカレ(1988年5月) 男子30km

在学中に企業チームからお誘いはいただいたものの、関東インカレや日本インカレでの実績が残せなかった時点で引退を決めていました。

関東インカレ 男子30km(1998年5月)ナンバー10が川鍋正樹さん



◆13年後に先輩の誘いでランニングを再開


競技を引退し、大学卒業後は走ることは全くありませんでしたが、13年後に先輩の誘いもあり、35歳で地域のハーフマラソンに挑戦しました。

もちろん現役時代のようには速く走れませんでしたが、大会を走るたびに記録が伸び、違った楽しさを感じられました。

40歳を過ぎてからフルマラソンにも挑戦しました。東京マラソンで別府大分毎日マラソンの参加資格を得て、毎年大分まで遠征し国内トップレベルの選手と走ったことがとてもいい刺激になりました。

50歳を過ぎて怪我が多くなり、我慢をしながらも走っていましたが、限界を感じて今は一旦走ることを控えています。来年は還暦ということもあり、記念にまたどこかのレースに挑戦したいと考えています。

東葛駅伝を目指している子たちへ

小学生や中学生にとって東葛駅伝は憧れの大会だと思います。練習を重ねて走れる選手や選ばれず悔しい思いをする選手もいるでしょう。本番で走ることも重要ですが、そこを目指して意識を高めることができれば、おのずと結果がついてきます。

沿道の声援を受けて学校の代表として走ることは、この大会以外では味わうことのできない貴重な経験です。一人でも多くの方がこの大会から、多くを学び次の一歩に繋げていただくことを願っています。

この記事を書いたライター

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