
東葛地区で見られるカエル、どんな種類がいるの?

雨のシンボルとしてアジサイ、カタツムリとともに、よく描かれるのがカエルです。そこで今回は東葛地区のカエルについて紹介します。
最も身近に見られるのがいわゆるニホンアマガエルです。体は緑色で、鼻から目、鼓膜にかけて黒い線があります。周りの環境に合わせ、体の色を変えることができます。
ところで最新の研究によると「これまでニホンアマガエルとされてきたもののうち、近畿より東側のものは別な種類であることが判明した」そうです。東側のものはヒガシニホンアマガエルと名づけられました。東葛地区にいるのもヒガシニホンアマガエルです。
シュレーゲルアオガエルは雑木林と水田が隣接するような自然豊かな環境に生息します。ヒガシニホンアマガエルより一回り大きく、鼻から目、鼓膜にかけての黒い線はなく、のっぺりして見えます。また同様の環境にはニホンアカガエルが見られます。東葛地区にもいますが数は少なく、千葉県レッドリスト2019で最重要保護生物(Aランク)となっています。

ちなみに関東平野一帯には、トノサマガエルはいません。東葛地区で俗に「とのさまがえる」と呼ばれているのはトウキョウダルマガエルという別の種類です。これも数が減っていて、千葉県レッドリスト2019では重要保護生物(Bランク)です。

ヌマガエルは静岡県以西に分布する茶色いまだら模様のカエルです。もともと東葛地区にはいませんでしたが、2010年頃急増し、今はよく見るカエルのひとつになっています。背中に白い縦線が入る個体もいます。


体長10cmを超える大型のカエルは2種類います。「がまがえる」の名前でおなじみのアズマヒキガエル、そしてアメリカ原産の外来種ウシガエルです。アズマヒキガエルは近畿より東側に生息してます。背中に大きなイボがたくさんあり、ゴツゴツして見えます。

ウシガエルはショクヨウガエルとも呼ばれ、1913年に食用目的で持ち込まれました。名前のとおり、ボワーッ・ボワーッと牛のような声で鳴きます。現在は特定外来生物に指定されています。
このように、身近な場所にも意外に多くの種類のカエルたちが暮らしているものです。

この夏休み、カエルについて調べてみるのも面白いかもしれませんね!
わぴちゃん(岩槻秀明)プロフィール

気象予報士。自然科学系のライターとして植物や気象など自然にまつわる書籍の制作に携わり、著書は20冊以上におよぶ。千葉県立関宿城博物館調査協力員、野田市史編さん委員会専門委員なども務める。宮城県生まれ野田市育ち。
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