車のフロントガラスにつく氷の造形

冬の朝、車のフロントガラスが凍っていることがあります。朝の忙しいとき、その対応で時間を取られてしまうので、どちらかというと鬱陶しいと感じる方が多いかもしれませんね。今回は散歩というよりお出かけ前の話になりますが、この「フロントガラスが凍る現象」に注目します。


「フロントガラスが凍る現象」は大きく窓霜(まどしも)と窓氷(まどごおり)の2つがあります。窓霜は空気中の水蒸気が直接フロントガラスに凍りついてできた氷の結晶です。これは草などにつく一般的な霜と同じメカニズムで起きる現象で、気温が低くフロントガラスが乾いているときによく見られます。

いろいろな窓霜


窓霜は、草などにつく一般的な霜とは見た目が大きく異なり、ガラス面に沿うように氷の結晶がのびていくのが特徴です。窓霜が描く模様は多様で、シダの葉や鳥の羽根、バラの花など、さまざまなものを連想させます。古くは、霜羊歯(しもしだ)や、霜華(しもばな)などとも呼ばれていました。


ガラス面にある氷や窓霜結晶の微細な突起の部分に、一般的な霜の結晶と同じものができることもあります。この場合、窓霜の中に一般的な霜の結晶が混じった状態になります。

窓霜の中に混じる一般的な霜の結晶


もうひとつの窓氷は、フロントガラスについた液体の水が凍結し、氷の膜となった状態です。雨や雪、夜霧、結露などでフロントガラスが濡れた状態のまま冷え込むと発生します。ふつう窓霜は氷の結晶ができている場所以外は乾いているのですが、窓氷はガラス面全体がまんべんなく氷の膜で覆われます。できる模様はそのときの条件によってさまざまで、地図の等高線のようになったり、鳥の羽根や唐草模様のようになったりします。

窓氷のいろいろ


車の運転をするときは、窓霜、窓氷ともにしっかり融かして視界を確保してお出かけしましょう。ホームセンターなどで売られている解氷スプレーは重宝します。また寒冷地仕様のウインドウォッシャー液を入れておくと良いでしょう。


ひとつの目安として予想最低気温4℃以下で霜が降りる可能性、2℃以下で氷が張る可能性があると言われています。前日の段階で気温が下がると予想されるときは早起きして、お出かけ前に窓霜や窓氷の造形を楽しむのも良いかもしれませんね。

この記事を書いたライター

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