霜柱は意外に個性豊か、じっくり見てみよう
冬の朝、霜柱をサクサクと踏んで遊んだ記憶のある方も多いのではないでしょうか。霜柱は細い針を束ねたような形をしていて、その姿から英語ではneedle ice(needleは針という意味)といいます。

踏むと簡単につぶれるので、繊細で儚いもののように感じますが、じつはかなりの力持ちです。寒冷地では土の中に大きな霜柱(アイスレンズという)ができて、道路をガタガタにしてしまうことがあるほどです。また、家庭菜園やガーデニングでも注意が必要です。根の張りが弱い若い苗や、植えたばかりのポット苗が霜柱によって持ち上げられ、ひどいときは根っこごと引っこ抜けてそのまま干からびてしまうことがあるからです。
ではどうして霜柱ができるのでしょうか。霜柱の正体は土の中の水分が凍ってできたものです。土の粒は「小さなだんご状のかたまり」になっていて、粒と粒の間は空気や水で満たされています。冷え込みによって気温が下がると、まず地表の水分が凍結して小さな氷ができます。するとその氷に吸い寄せられるように、土の中の水分が次々と地表に上がってきて、氷の下に凍りついていきます。これを繰り返しながら針のような形の氷へと成長していくのです。土の状態や気象条件にも左右されますが、だいたい一晩で3~5cm程度になります。
ちなみに名前が似ている霜は、空気中の水蒸気が直接凍りついてできた氷の結晶で、霜柱は似て非なる別な現象です。
この霜柱は観察していると意外に形のバリエーションが豊富なことに気づかされます。ときにくねくねと曲がった形になり、アーチを描くこともあります。それから土がパサパサに乾燥しているときは、糸くずのように細くなります。反対に土がぬかるんでいるような場所では太くて丈夫な氷の柱のようになったり、上部が横につながってレース編みを広げたような姿になったりします。

日当たりの悪い場所では霜柱が昼間も融けずにそのまま残りがちです。夜になるとその下に新たな霜柱ができ、それを何日か繰り返すことで、何十cmもの「霜柱の積み重ね」ができることもあります。

まだまだ厳しい寒さが続くこの時期、霜柱にも注目してみるとおもしろい発見があるかもしれませんね。
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