春の散歩道の定番、オオイヌノフグリとその仲間たち
今や春の風物詩ともいえるオオイヌノフグリの青い花のじゅうたん。しかしそうなったのは明治時代半ばより後の話で、それ以前の日本にはありませんでした。もともとの原産地はヨーロッパから中近東のあたりで、日本在来の植物ではないからです。
日本にもとからあったのはイヌノフグリという種類です。花はピンク色で小さく、果実は球を2つくっつけたような形です。この果実の形が名前の由来になっています。古くはヒョウタングサ(瓢箪草)やテンニンカラクサ(天人唐草)といった呼び名もあったのですが、なぜか標準和名に採用されたのはイヌノフグリでした。ちなみのこのイヌノフグリは激減し、環境省レッドリスト2025では準絶滅危惧。東葛地区にもあることはあるのですが、どこも細々と生き残っている程度でいつ消えてもおかしくない状態です。

オオイヌノフグリはイヌノフグリに似て大きめなのでそう名づけられましたが、果実の形にあまりその雰囲気はないので、とばっちりといえるかもしれませんね。
さてこの仲間は他にもいろいろあります。そのうち街中も含め見る機会が多いのはタチイヌノフグリです。名前のとおり茎は立ち上がり、その先にオオイヌノフグリをかなり小さくしたような青い花を開きます。ピンクの花を咲かせる株もあります。

フラサバソウもあちこちでよく見かけます。全体に毛が多く、オオイヌノフグリを小さくしたような花を咲かせます。名前はフランスの研究者であるフランシェとサバチェの2人から取ったものです。私が初めて見たのは中学生の頃、家の近所でした。今はいたるところにあるものの、当時はかなり珍しく、見つけたときはなかなか感動したのを覚えています。
それから東葛地区で近年ちらほら見るようになったのがコゴメイヌノフグリです。オオイヌノフグリに似るものの花は白く、果実の形もだいぶ異なります。まだ少数派ですが、今後は身近な存在になるかもしれません。
もうひとつ水辺や湿った場所にはムシクサが生えています。ムシクサは茎が立ち上がり、春に白い小さな花を咲かせます。ゾウムシの仲間がつぼみに卵を産み、丸い虫こぶをつくることがあるので、こういう名前がつけられました。

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