キンモクセイとその仲間たち

道すがら、どこからともなく漂ってくるキンモクセイの甘い香りに秋を感じる方も多いのではないでしょうか。キンモクセイはモクセイ科モクセイ属の常緑樹で、江戸時代に中国から渡来したと考えられています。花の香りがとても良いことから、春のジンチョウゲ、初夏のクチナシとともに日本の三大香木とも呼ばれています。日本にあるものはほとんど雄株で、果実はまず見られません。

左=キンモクセイ  右=ギンモクセイ

キンモクセイの花は橙色ですが、変種に白い花を咲かせるギンモクセイと、薄い黄色の花を咲かせるウスギモクセイがあります。ギンモクセイとウスギモクセイはあまり植えられていないため、見かけたらラッキーと言えるかもしれません。ウスギモクセイは国内に雄株・雌株ともにあり、雌株は翌年5月頃に青黒い果実ができます。

キンモクセイはふつう年に1度だけ開花します。ところが近年は、1年のうちに2度、3度…と繰り返し咲く事例がよく報告されるようになりました。その理由ははっきりしませんが、夏から秋にかけての高温が影響している可能性があると指摘されています。

ヒイラギモクセイ

左=花期の様子  右=葉の様子

これらと同じ仲間(モクセイ科モクセイ属)のうち、東葛地区でも見かける可能性があるものとしては他にヒイラギモクセイとヒイラギが挙げられます。

ヒイラギモクセイはギンモクセイとヒイラギの交雑によって生まれたと考えられていて、葉の縁ははっきりとギザギザしています。花は白色で10~11月頃とキンモクセイなどに比べるとやや遅めです。庭や公園に植えられ、刈り込みに強いことから生垣としても利用されます。果実はできないと考えられます。

ヒイラギは関東地方以西に自生する日本在来の樹木で、庭や公園にもよく栽培されています。葉の縁はギザギザしていて、先が鋭い刺のようになっています。ただ樹齢を重ねてくると葉は丸くなる傾向があります。11~12月頃、香りのよい白い花を咲かせます。雄株と雌株があり、雌株は初夏に青黒い果実ができます。ちなみにクリスマス飾りの「ひいらぎ」は、これではなくモチノキ科のセイヨウヒイラギやヒイラギモチなどが使われます。

この秋以降はぜひ、キンモクセイだけではなく、その仲間にも注目してみてはいかがでしょうか。

ヒイラギ

a…若木の葉     b…樹齢を重ねた木の葉
c…花期の様子
  d…果実期の様子

この記事を書いたライター

今月のプレゼント