「芳の」は地元で長く愛されているふぐ料理専門店。京成谷津駅北口より徒歩約4分の閑静な住宅街に佇む。店主は子どもの頃から料理好きだったという海部芳英(かいべよしひで)さん(65)。ふぐ調理の免許に加え、保健所からの「ふぐ取扱所認証」も得ている。
海部さんが29歳でこの地に「芳の」を開業したのは36年前。当時、この界隈は70軒以上の飲食店が軒を連ね、賑わいを見せていた。しかし、時代の流れとともに店主の高齢化などを理由に、一つ、またひとつと灯火が消えていった。「芳の」も決して順風満帆ではなかったという。コロナ禍では休業を余儀なくされ、ランチ営業のみで苦境を凌いだ。「やらない方がよかったのでは、と後悔したこともある」と、当時の苦悩を振り返る。飾らない言葉の端々に、36年もの間、営業を続けて来られたのは街への深い愛情があるからだと感じた。
そんな「芳の」のコスパ抜群のランチはおすすめで、ぜひ食べてもらいたい一品だ。中でも8~9種類の海鮮が乗った「海鮮丼」はその日の朝に仕入れた新鮮な魚介を彩り豊かに丼に盛り込み、一口食べるごとに幸せが口いっぱいに広がる。
取材の日はマグロ、ぶり、たこ、きゅうり、なかおち、玉子、えんがわ、サーモン、ボタン海老、風味豊かな大葉が盛られていた。高級魚を含め、これだけの種類の新鮮な魚介を堪能出来、味噌汁に香の物、サラダ、デザートまでついて、税込980円という驚きの価格だ。この店、文字通りの知る人ぞ知る「穴場」と言えるだろう。
ランチタイムも予約可で、席数が少ない上に、店主が一人で切り盛りしているため、時間帯によっては予約がないと入店出来ないこともある。ランチは他にも刺身定食やアジフライ丼、天然ふぐ天丼もあり、どれも1000円でお釣りが来る手頃さだ。ぜひ一度足を運んでみてほしい。
昼 11時30分~13時/夜 17時~21時。月・火曜定休。
▽問☏047・493・0339。習志野市谷津5‐13‐6「芳の」(よしの)。
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