
どういうつもりか教えてゆうと

9月7日、演歌歌手・辰巳ゆうとが三協フロンテア柏スタジアムで行われたルヴァン杯ベスト8・横浜FM戦でスペシャルライブを開催。「運命の夏」と「迷宮のマリア」の2曲を披露した。
本紙はステージ後の辰巳氏を直撃ー。
いわば、掟破りの「どういうつもりか教えてゆうと」を敢行した。
辰巳氏は興奮気味にこう振り返った。
「レイソルサポーターのみなさんの声援の力は思っていた何百倍もありました。歌いながら、『すげえな』って。普段の環境からすると男性の野太い声というのは新鮮でしたし(笑)、すごい力をいただきました!この絶大なパワーをもらいながら、選手のみなさんはプレーをされているんだなと実感いたしましたし、『スポーツの力』って素晴らしいなと。私はたまたま応援歌に選んでいただいた曲を唄っただけなのに、熱い声援を送っていただけるなんて、感謝の気持ちでいっぱいです」

今回のステージは今年2月にFW垣田裕暉の応援歌に「迷宮のマリア」のサビ部が採用されたことがきっかけ。辰巳氏はすぐにそれを伝え聞いていたという。ステージ中にも今回の応援歌化の事実をファンとも共有していた様子も話題になった。その時点でレイソルサポーターから「いつか日立台へ」という気運は高まっていたのだが、今夏の地方公演やスペシャルコンサートツアーが控える辰巳氏のスケジュールと柏レイソルの試合日程との調整がつき実現にこぎつけた。

「もう、この『迷宮のマリア』は私の曲ではなく、垣田選手のものです!」とまで言い放った辰巳氏。「いや、それはあなたのヒットチューンですよ!」と切り返す間もないほどの熱意で改めてレイソルサポーターへの感謝を口にした。
「ファンの方から『迷宮のマリア』が柏レイソルの垣田選手の応援歌に使われていますよということを聞いたのが一番最初でした。その時は『え?まさか…え?』って思いまして、レイソルサポーターの方の動画を拝見したんです。『本当に使ってくれている!』って。すごくうれしかったです。自分も野球などスポーツをやっていましたし、『いつか自分の歌が…』という夢はありました。それが垣田選手だったことも光栄でしたし、垣田選手が活躍をされたり、ゴールを決めれば、色々なスタジアムでこの曲を唄ってくださるわけですから、これ以上うれしいことはないです」

辰巳氏と柏レイソルの間にこの温かい親和性をもたらした理由は、共に「でっかい夢がある」ということ。
「レイソルさんはリーグ優勝もルヴァン杯も懸かっているシーズン。私も音楽を通じて、精一杯応援していきたいと思っております。今日はレイソルサポーターのみなさんからたくさんのパワーをいただきましたので、レイソルさんに於ける『優勝』というものが、『私の場合、優勝とは何か?』と考えてみた時に、それはやはり、『紅白歌合戦』が大きな目標になると思いますので、レイソルのみなさんのプレー、サポーターのみなさんからの元気をいただき、紅白歌合戦に出て、またこの日立台へ帰って来られるようにがんばっていきたいと思います」
キックオフ前には「柏熱地帯」など真ん中でレイソルサポーターのパワーを再注入。レイソルも完勝でルヴァン杯準決勝進出を決めた。

数多あるJリーグを見渡してみても、この熱意やスピード感。そして、素晴らしい楽曲たちで、「アウェイ」といっておかしくない環境を華やかに彩れるシンガーとなると?という答えは、この日スタジアムにも出現された「ゆうサポ」のみなさんが教えてくれた。
それは「だけだけだけだけ、ゆうとだけ」ー。

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