
考えて 話して 聞いて 考える

今年度から身近なテーマで参加者間で対話しようという「考え中カフェ」という会を月1回開いています。うまく話せなくてOK、聞いているだけでOK、正解はない身近なことから問いを立て、自分の考えを探ろうというのが目的です。先日のテーマは「『かわいい』ってなに?」でした。
10人ほどで車座になり、話したい人から手を挙げて話します。知さん(20代)「『かわいい』は昔は女の子に対して言うイメージだったけど、今は男性にも使うようになった。自分は『素敵』とか『好き!』みたいなときもかわいいって言っちゃう」。確かに今やいろんな意味を内包する便利な言葉という印象です。
一方、「かわいい」と言われる方の意見としては馳くん(10代)「自分はいまだにお母さんにかわいいと言われる。そろそろ脱却したい。お母さんの支配欲、自己満足も感じる」。未くん(小3)「だれか大人に『かっこいい』って言われると頑張らなきゃいけない感じがするけど、『かわいい』はそのままでいいって感じがするから気楽」。陽さん(20代)「職場で言われると下に見られているのかなーと思っちゃう」という意見も。立場や場面、相手との関係性などで受け取り方が変わるんだと参加者皆が気づいた場面でした。
その他にも陽さんは「介護の仕事をしていて、お年寄りの方をかわいらしいと思ってしまうこともある。あんまりよくないかもしれないけど…」と話してくれました。ボランティアの篤さんは「かわいいと思う気持ちは、お世話の大変さを支えるものでもあるかもしれない。自分の親の世話が大変なのは、かわいいとなかなか思えないからかも…」と話してくれました。
考え中カフェは1時間で終了ですが、そこからが本当の始まりです。今日話したこと、聞いたこと、考えたことを種とし、自分とあるいは家族や友人とどんどん対話し考える、それを伝える、相手の意見を聞くという力を育んでいってほしいと思います。家庭でも学校でも職場でも、そして国同士でも対話が何より大切です。
☎04・7146・3501 NPOゆうび小さな学園 杉山麻理江
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