
病気のネット検索はほどほどに

Q.私は躁とうつを繰り返す双極性障害という病気です。発病してまだ一年ですが、医者の言うことよりネットの情報を信じてしまいます。薬もネットで調べて評判が悪ければ飲みません。医者の言うこととネットとどちらを信じたらいいでしょうか。
(30代女性)
A.ネット社会の現在は、パソコン、スマホがあれば何でも調べられます。ネットは、症状から病気を知ったり、血液検査の単語を調べたりするにはとても便利。多くの医師は、健康診断の時、一つひとつの数値の説明まではしてくれないのではないでしょうか。
私の知人は大腸がんキャリアですが手術も終え、現在は経過観察中です。 検査で、ある腫瘍マーカーが基準値より少し高めに出てしまい、次回の検査まで様子をみましょう、と医師に言われたそうです。不安にかられ、ネットで調べ尽くした結果、不安が増大。とうとう死まで考えたそうです。
ところが、検査結果は、大事に至るものでありませんでした。
「この数値は人によって高くなりますが、CTでは大丈夫なので安心してください」と医師に告げられ、彼女は平穏な気持ちを取り戻しました。
ネット検索した○○病の症状が、少しでも自分にあてはまると、「自分は○○病かもしれない」と思い込んでしまいがちです。
精神科でたまに耳にするのは、医師のはしごです。次から次へとどんどん担当医を替える患者さんがいるそうです。そんな話を聞くと、「どうしてもっとじっくりと一人の医師と向き合おうとしないのかな」と思います。もちろん、セカンドオピニオン、サードオピニオンとして別の医師の考えを聞くのは大切なことです。
あなたは、担当医のことを信じていますか?精神科医と患者の相性はとても難しい問題だと思いますが、自分が納得するまで医師の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。 ネットで得た知識を判断するのは自分。その自分の考えが間違っていたら…。
まずは、専門事例をいくつも診ている医師に病気のことを任せてみましょう。
《ご相談募集》
あなたが抱える心の不安・お悩みはありませんか?このコーナーでは、あなたのメンタルヘルスのお悩みにお答えします。お悩み・年齢・性別のみ書いて手紙またはメールで編集部までお送り下さい。
紙面で回答します。

この記事を書いたライター
