君子之交淡如水《書の力 第57回》

ふれあい毎日 書の力

赤井清美(1937-2025)赤井清美自選印集より「淡如水(印影)」2002年
36.7×25.0㎝ 2帖

 淡如水(たんじょすい)とは『荘子』山木篇(さんぼくへん)に出てくる「君子之交淡如水(君子の交わりは淡きこと水のごとし)」からとった言葉です。

君子の交わりは水のようにさらっとしたものであるという意味ですが、赤井氏はこの言葉を座右の銘とし、自ら主宰した書道団体も「淡水会」と名付けました。

書を愛好する人々が、爽やかにお付き合いをしながら、分け隔てなく互いの書を高めていく。そのような会を目指していたのでしょう。

水は味がしないですが、生きるためには欠かすことが出来ない存在です。書における印もまた水と同様のものといえるでしょう。(成田書道美術館 学芸員 山﨑亮)
https://www.naritashodo.jp

※この印影は10月13日まで「赤井清美の仕事と明清の書」展で出品中です。

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