権(秤)量(升)に付された証明文《書の力 第59回》
秦 権量銘(けんりょうめい) 拓本 1帖 26.4×19.5㎝
成山書道美術館蔵
権量銘とは権(秤)量(升)に付された証明文のことで、正確に分量を量る器具として認められた権量に付されてその正確性を証明するものです。
秦の始皇帝は中国を統一すると権量に銘文を入れ、全国に配布して規格の統一を図りました。この銘文は篆書(てんしょ)の中でも小篆(しょうてん)と呼ばれる字体が使われていますが、小篆もまた始皇帝が宰相の李斯(りし)に命じて、それまで各国でそれぞれに使われていた篆書体を整理して字体と使われ方を統一したものです。
国家の力が書に込められることもあるのです。秦の文字は漢に受け継がれました。漢字の原点は、秦の時代にあるといっても良いでしょう。(学芸員 山﨑亮)
【釈文】
廿六年皇帝盡并兼(天)(下)
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