ロッセリーニ×ゴダール[2つのゼロ年]
キネマ旬報シアター 2/28(土)~3/6(金) ※日替わり上映
今回は、映画史に名を刻むふたりの名匠の作品を通じて、ドイツの歴史を見つめ直すことができる特集をご紹介します。
特集『ロッセリーニ×ゴダール[2つのゼロ年]』で上映されるのは、イタリアの巨匠ロベルト・ロッセリーニの『ドイツ零年』、フランスの巨匠ジャン=リュック・ゴダールの『新ドイツ零年』の二作品。ロッセリーニの『ドイツ零年』は、第二次世界大戦で壊滅した連合軍占領下のベルリンを舞台に、ひとりの少年の過酷な運命をたどります。
一方、ゴダールの『新ドイツ零年』は、ベルリンの壁崩壊後、旧東ドイツに潜伏していた老スパイが〝西〟へ帰還するロードムービーとなっています。
ロッセリーニが1945年をドイツにとっての《ゼロ年》とみなし、〝虚無の廃墟〟と化した戦後ドイツを冷徹に見つめたのに対し、ゴダールは東西ドイツが統合された1990年を《新ゼロ年》として、ふたたび〝虚無の廃墟〟に戻されたドイツと向き合います。興味深いのは、どちらの監督もドイツ出身ではないということ。だからこそ、ふたつの時代のドイツを舞台にしていながらも、国家間の衝突がもたらす無情さが、より普遍的なものとして現代を生きる私たちの前に浮かび上がってきます。
(キネマ旬報シアター 長谷部)

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