
学生ベンチャー食堂の挑戦 一般利用もOK!

地域を巻き込む 千葉商科大学 市川市
市川市国府台にある千葉商科大学キャンパスには、学生が企画、経営するユニークな食堂がある。その名も「学生ベンチャー食堂」だ。
ここは学生たちが起業家精神を育む実践の場であり、ビジネスの厳しさや面白さを肌で感じる貴重な学びの場となっている。現在3店舗が営業中。うち1店舗は卒業生が現在も経営を続けている。学生だけでなく、地域住民の利用も可能だ。

現在奮闘中の学生経営者は2人。青森県出身の桂川幸二郎さん(商経学部3年)が営むのは「兎(と)なり」だ。彼は高校時代にこの食堂システムを知り、起業を志して入学した。フェアトレードにも関心を持ち、和食にフェアトレードをプラスしたメニュー開発に挑戦。様々な学部の学生を巻き込みながら経営を展開している。メニューは主に和食系で、甘辛だれの鶏竜田揚げ丼(500円)、鯖の塩焼き天ぷら添え(500円)他。おすすめはチョコと味噌の鶏そぼろ丼(500円)だ。

一方、葛飾区出身の鈴木修造さん(サービス創造学部2年)は「ラーメン結(ゆい)」を切り盛りする。ラーメン好きが高じて、「学食で本格的なラーメンを提供したい」と出店に手を挙げた。ここでの日々は高校時代の「敷かれたレールを歩いていた」状態から大きく変化し、毎月新商品を開発する「新麺プロジェクト」を立ち上げ、飽くなき探求心を見せている。ラーメンは定番商品が6種類と期間限定が1種類。一番人気は味噌チャーシュー麺(600円)で、オススメは冷やし中華(500円)。

学生たちは、事業計画から売上分析、メニュー開発を通じ、実践的なビジネススキルを磨く。大学の補助はあるものの、お金と人のやり繰りに苦労することも経験。特に、校内学生を雇用する上での人間関係は、友人からビジネス上のつながりへと変化する難しさがあるようだ。
今春のオープンから数カ月。学内イベントからの依頼や学生との繋がりが増えたことが、彼らにとってうれしい出来事だ。地域住民との交流も生まれ、「美味しかった」の一言が何よりの喜びだと言う。彼らの情熱が詰まった一皿を、ぜひ味わってもらいたい。
営業は月~金曜の11時~14時。大学が夏季休暇に入るので、7月の最終営業は18日。秋のオープンは10月10日から。
▽問☏047・373・9968(千葉商科大学 経営企画室広報グループ)。


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