⽼舗醸造所「私市醸造」初の地域イベント

ふれあい毎日

創業100年超 感謝を込めて初の地域イベント 10月18日㈯ 鎌ケ谷市

工場にて、私市一康社長

鎌ケ谷市東道野辺に本社を構える老舗醸造所「私市醸造(きさいちじょうぞう)」。1922年(大正11年)創業、100年超の歴史ある同社は、伝統の味を守りながらも、新たな挑戦を続けている。

同社が力を注ぐのは、寿司店向けの赤酢だ。赤酢は3年間かけて酒粕を熟成させて造るのが特徴で、一般的な米酢との決定的な違いは「旨味」にある。酒粕の熟成によって未分解のデンプンとタンパク質が糖とアミノ酸に変化し、さらにメイラード反応によって白い酒粕が濃厚な褐色になり深いコクとまろやかさを生み出す。 化学調味料とは全く異なる、自然な発酵による深い味わいがもたらす旨味が、マグロの赤身など、味の濃いネタと絶妙に調和し、プロの職人から信頼を得ている。現在では海外での赤酢ブームもあり、私市醸造の輸出先は欧米、東アジアやアフリカ等にまで広がっている。

酢の専門メーカーでありながら、マヨネーズやドレッシングなどの加工品にも力を入れている。ノウハウがない中でのスタートに開発は困難を極めたが、試行錯誤の末、今や同社の売り上げの半分を占める。添加物に頼らない高品質なマヨネーズは、そのまろやかさとコクの深さにリピーターが増え続けている。また、ドレッシングや焼肉のタレなどは、都内の名だたる名店でも採用されている。

三代目の私市一康社長(65)は、「物心ついた頃から醸造所の環境で育ち、家業を継ぐことは自然な流れだった」と話す。常に時代の変化に対応し、伝統の味を守り続けてきた私市社長には大学時代から40年来のライフワークがある。野鳥の写真撮影だ。何時間も粘り、一瞬を捉える探究心と忍耐力は、質の高い酢造りの姿勢にも通じる。

野鳥撮影がライフワーク

祖父や父の背中を見て育った長女の奈緒子さん(29)も「ここで働きたい」と家業を継ぐことを決意。学生時代に留学し、マーケティングを、実体験を交えて学んできた心強い後継者だ。

「もっと若い世代に酢をアピールしていきたい」と食育活動にも積極的で、酢と牛乳を混ぜて作るカッテージチーズ風作り体験を幼稚園で行うなど、子どもたちに酢の面白さと魅力を伝えている。

心強い後継者、奈緒子さん

そんな私市醸造が、創業以来初の地域住民向けイベントを今月18日(土)に開催する。これまでの感謝と、今後も地域と共に歩んでいく決意の表明だ。地域貢献が目的で老若男女、誰もが楽しめる企画が満載。

当日は、普段は立ち入ることが出来ない工場内部の見学など、長年培われてきた酢造りの秘密や、高品質な製品が⽣み出される現場を、五感で感じ、垣間見ることが出来る貴重な機会だ。

また、来場記念プレゼントや試飲、感謝祭限定商品を含む販売会、ビンゴ大会&スタンプラリーや、輪投げコーナー、オリジナルのビネガーをブレンド出来る「瓶詰め体験」も実施される。

当日限定販売のセットA・保冷バッグ付き

▼開催概要:10⽉18⽇(⼟)9時30分〜15時30分。 ▽場所:「私市醸造本社」(鎌ヶ⾕市東道野辺6-7-45)。

▼注意:荒天時、前⽇までに同社ホームページで告知。駐⾞場はない。公共交通機関、⾃転⾞での来場を。ペット同伴不可。

この記事を書いたライター

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