リレートーク24 止むことのない好奇心が生み出す本たち 出版社勤務

ふれあい毎日

 山田裕子(やまだひろこ)さん   習志野市 

 「人を幸せにする仕事をしたい」という思い

 第71回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(2025年度)の「とびたて!みんなのドラゴン」を編集したのが山田裕子さんだ。出版社に勤務して、一般向けの児童書のほか、小・中学校、高校の調べ学習やノンフィクション書籍の編集などに携わっている。

 児童書に興味を持ったのは、幼いころの母との関係だった。「4歳から習っていたピアノの練習時は、鬼の形相に見えた母が、夜に読み聞かせをしてくれた時は心安らかになり、絵本は幸せの象徴となって心に残った」と山田さん。

 「人を幸せにする仕事をしたい」という思いは次第に強くなり、児童書や絵本に携わる仕事を考えるようになった。出版社を訪ね歩いたが、採用されず、最初は印刷会社に仕事を得た。その後、音楽系制作会社へ入り、販促物、CDジャケット、カタログなどを制作することになる。

 数年後、電機メーカーに移り、社内報を編集する仕事を任されることになった。「ここで、プロフェッショナルな様々な人と関わり、育てていただいたことは大きい」と当時を振り返る。

 そんな経験を経て、現在は夢が叶い、児童書専門出版社で次々と新企画を打ち出している。「私自身が暮らす地域の作家さんに執筆を依頼することも多く、皆さんに知っていただきたいと思っている」。

 本の出版については、「売れるためのアウトプットには、自分へのインプットが大切。コンテンツを読んで、多種多様な情報に触れることを自分に課していて、年間500冊以上の本に目を通す」と、並々ならない努力を重ねている。

 習志野市の民生児童委員でもあり、「幼保、小、中学校の子どもたちの日常の状況を知ることは、児童書の企画の仕事にも活かされている」。プラッツ習志野のこども食堂にも関わり、自ら企画制作した本を読み聞かせることもあるという。

 「本を作るとき、子どもたちは、実際にどういうことで悩んでいるのかを知り、そこからテーマを探り、作品に生かしている。取材も大好きで、作家、画家、カメラマンなど、多種多様な人と繋がり、その魅力を知ることができ、持ち前の好奇心も最大に発揮できるのがうれしい。私自身が子の親になり、次世代の子どもたちが生きていく力をつけるための知恵の源となる本を世に送り出したい」と意欲を語る。

 山田さんはインタビューの場所に何冊もの本を入れた大きなバックを抱えて現れた。本をテーブルに並べ、次々と本を紹介してくれた時の瞳の輝きは忘れられない。「幸福の原型」とも言える、彼女の宝物を差し出されたように、心が震えた。

■次回は、作家、放送作家で脚本家の徳野有美さんにバトンを渡します。

※徳・・つくりの心の上に一が入る

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