Vol.25 柏市立田中中学校出身 忠内侑士さん

 後に東葛駅伝を走ることになる友人から「駅伝を一緒にやろうよ」という誘いがきっかけで陸上競技を始めた忠内さん。当時はテニス部に所属し、陸上競技部と兼部しながら競技をスタートさせた。

「一番印象に残っているのは、駅伝部に誘われた際、長距離顧問の中野直幸先生が「忠内を関東、全国まで連れて行く」と言ってくださったことです。その言葉を信じて打ち込んだ中野先生の指導のおかげで、競技面はもちろん、一人の人間としても大きく成長できたと今でも実感しています」

第69回東葛駅伝7区

◆2年連続で東葛駅伝を出走

 第69回は7区、第70回は1区を出走した。「『走るのが楽しみだ』という期待が大きかった一方で、任されたからには役割を全うしようという責任感も強く抱いていました。東葛駅伝を経験し、何より、同じ学校の仲間と切磋琢磨して走れることが楽しく、『もっと走りを楽しみたい』、『タスキを繋ぎ続けたい』という純粋な向上心を得ることができました」

2016年11月千葉県中学駅伝1区

◆高校から陸上競技に転向し専大松戸高校へ進学

 千葉県トップクラスの選手たちと練習できる環境に惹かれ、専大松戸高校へ進学を決めた。

「入学後、高いレベルに身を置くことで、当時の自分の考え方や取り組みがいかに甘かったかを痛感できたことが、その後の大きな糧となりました。高校1年時の秋、怪我続きで練習すらままならなかった時期が中学から大学までの競技人生の中で最も苦しかったです。ストレスで蕁麻疹が出て入院するほどでしたが、そこで一度吹っ切れ、『失敗してもいいから挑戦と改善を繰り返そう』と決意しました。地道にPDCAを回し続けたことで、這い上がることができたと感じています。山崎昌聡先生には、結果が出ず練習も思うようにいかなかった時期、本当に根気強く向き合っていただきました。周囲と同じメニューをこなすのではなく、私のその時の状態に合わせた専用のメニューを考えてくださったことが深く記憶に残っています。練習メニューの組み立て方など、その後の陸上人生に繋がる多くの学びをいただき、心から感謝しています」

2019年11月千葉県高校駅伝6区
2019年11月関東高校駅伝5区

◆高校3年時の駅伝は悔いが残る結果に

高校3年時の千葉県高校駅伝は6区を走り、専大松戸高校は4位となったが、2019年は全国高校駅伝の記念大会でもあり、関東高校駅伝で南関東代表を狙った。関東高校駅伝は5区を走ったが、力は出し切れず悔いが残った。

「南関東代表を十分に狙える位置ではあったと思います。ただ、当時は主戦力の一人の松永伶(現JR東日本)が控えている状態での出場だったこともあり、チーム全体のコンディションやモチベーションは、決してベストな状態ではありませんでした。高校生活最後の駅伝というのと結果次第で全国高校駅伝を走れるチャンスはあったので、やはり悔しさは残っていますし、松永が走れなかったことが響いたのは否めないです。関東高校駅伝は、諸事情で静岡県裾野市でのトラックレースとなりましたが、できることなら最後の駅伝はロードを走りたかったです」

高校3年時の県高校駅伝メンバーとの集合写真 前列右から2番目が忠内さん
2022年関東インカレハーフマラソン

◆新興勢力の立教大へ進学

箱根駅伝出場に向けた強化をゼロから作り上げる立教大の環境に魅力を感じ、挑戦を決めた。大学3年時に箱根駅伝予選会を走った。立教大は箱根駅伝予選会6位通過し、55年ぶりに箱根駅伝の出場を決めた。個人タイムはチームの合計タイムにカウントされる10番手でゴールしたが、12月の箱根駅伝登録メンバーに入れず悔しかった。立教大はシード権を得られず、最後の1年の箱根駅伝は予選会からの出場となった。

大学4年時の箱根駅伝予選会は6位通過し、2年連続で箱根駅伝の出場が決まった。個人タイムはチーム7番手の1時間3分59秒で予選会通過に貢献した。11月のMARCH対抗戦10000mは、2組1位で自己記録を更新し、箱根駅伝へ向けてのアピールはできた。「箱根駅伝登録メンバーの16名に入ってからの準備は常に整っており、手応えも十分にありました。最終的に出走は叶いませんでしたが、選手間で納得いくまで話し合った結果の決断だったので、悔いなく受け入れることができました。大学の4年間は、すべての瞬間が濃密なものでした。箱根駅伝予選会を2年間走り、予選会を勝ち抜いて箱根駅伝に出場することの難しさ、そして厳しい現実を突きつけられた後、チームとして最高と最悪の時間をともに味わったことのすべてが大切な思い出です。環境面では、寮とグラウンドが隣接しており、食事も美味しく、競技に集中するための設備が非常に充実していました。これまでにないほど恵まれた環境の中、練習に没頭することができたと感じています。競技を続けて良かったことは、陸上選手としてだけでなく、人間としても質の高いメンバーに出会い、ともに高め合えたことです」

2023年10月 箱根駅伝予選会

◆今後の目標

大学卒業後はIT業界の営業職として働いている。

「日々の業務のなかで壁にぶつかることもありますが、現役時代の陸上競技を通じて培った精神力や経験を糧に、毎日、前向きに取り組んでいます。現在は週に2~3回ほどのペースで走っています。会社の同僚や個人、また大学時代の同期と一緒に走ることもあり、たまにレースにも出場してモチベーションを維持しています。いつか自分の経験を誰かに伝え、教えられる立場になれたらと考えています。仕事でもこの経験を活かして、お世話になった人たちへ恩返しをしていこうと思います」

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