アーティスト 田口香菜恵さん 暗いトンネルを抜けて光の世界へ 千葉市

ふれあい毎日

「実は、小学生の頃、絵が描けなくなったんです」、そう語るのは、千葉市在住のアーティスト、田口香菜恵さん(39)。中学2年で不登校になり「誇れるものが何もなかった」と、当時を語る。

クレイアートに出合い、16歳の若さで千葉市の「ギャラリージコライ」で個展を開催。個展後に体調を崩して、長く発表の機会はなかったものの「芸術があるから頑張れる」と、創作を続け、23歳の時、香港で行われた林原国際芸術祭で入選。27歳には同芸術祭に再度入選するなど、華々しい経歴をたどってきた。

しかし「絵」に関しては「幼稚園ではすごく楽しく描けていたが、小学校で先生から他の子が怒鳴られているのが怖くて。それ以来、絵筆を握っても、どうしても色をのせることが出来なかった」と話す。

転機が訪れたのは33歳のとき。精神に病を抱える女性の切り絵を見たことがきっかけで、「絵筆が無理でも、もしかしたら切り絵なら、と試してみた。なんとか出来た」。そこに色をつけたいと、色紙を貼ってみた。そうするうちに、ついにカラフルな絵が描けるようになったのは35歳のことだった。

千葉市の街角ギャラリー「どち」で、この2月開催された個展会場には、クレイアート、貼り絵など、100点余りの作品を展示。淡い色彩で描かれた透明感のある作品は見る人をファンタジーの世界に誘う。やさしいタッチのアクリル画だ。長い間心の奥底にしまわれていた田口さんの魂が、光の中に解き放たれた喜びの声が聞こえるような絵画作品が並んだ。

「潜在意識が手に伝わって筆が動く」と話す田口さん。今年の12月にも「どち」で個展開催の予定。これからどんな作品を見せてくれるのか、楽しみだ。

※写真:はじめての創作絵本「ナジュムの街」を手にする田口さん

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