市民の手で守られる桜並木

ふれあい毎日

「新川千本桜の会」八千代市

八千代市の新川千本桜は、同市新川沿いのおよそ4.5㌔㍍に約1300本もの桜が咲く名所として市民に親しまれている。河津桜、陽光桜、ソメイヨシノなど約8種類の桜が、2月下旬から4月上旬にかけて咲き、桜風景を長く楽しめるのが特徴。この桜並木は市民団体や有志によって手入れされ、さくら祭りやライトアップも行われている。

同市農業交流センターで、新川千本桜の会の萩原善彦会長に話を伺った。桜の植樹のスタートは2002年から3年かけて行われた。市が掲げた「花のまちづくり構想」がきっかけで「新川千本桜植栽事業委員会」が誕生。その委員会の呼びかけで2003年4月、「新川千本桜の会」が立ち上がった。

「木を植えるところまでは行政がやってくれた。でも、植えた後の桜を誰が面倒を見ていくのか。正直手探りでした」と萩原さん。もともとは里親として一本の桜だけ見守るつもりだった。市に班分けされてからは自分たちで桜を見ていくしかなく、気づけば会の中心で世話をするようになっていた。「不器用だから、出来ることをやるしかなくて」と照れる。83歳になった今も、自ら草刈り機を持って現場に立つ。

一番大変なのは、あっという間に伸びてくる草との戦い。新川の堤防は県の管理区域で、市の草刈りは年に2回ほど。それだけではすぐに草に覆われ桜は育たない。根元の草を刈り、つる草を取り除き、木が倒れていないか、病気が出ていないか確かめる。そんな地味な作業を、会員たちはずっと続けてきた。「今は年6回の草刈り日を共有出来るようになって、やりやすくなりました」。

会員は現在60人ほど。実働は20人から25人。月に3回、桜の手入れは川沿いを移動しつつ順番に行う。「年を取って、最初のメンバーも来られなくなってきた。これからどうやって引き継いでいくのか、それが一番の悩み。ボランティアに任せるだけでなく、行政も主体的に関わってほしい」。

桜まつりの賑わいの影には、花のない季節に土手を歩き、見守り、汗を流して周辺整備を行う人たちがいる。その地道な努力を次の世代へつなげていくために、ボランティアの頑張りだけに頼らない仕組みが、これからは必要ではないだろうか。

この記事を書いたライター

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