不登校支援で大切なのは
「不登校」家庭と一緒に選択肢を探す体制づくりを
不登校支援で大切なのは、子どもを「学校に戻すか、戻さないか」だけで考えないことだ。 そもそも学校とは、単に勉強をしに行くだけの場所ではない。子どもが学び、人と関わり、失敗や成功を重ねながら、自分の特性を知り、社会の中で生きていく力、自立する力を育てる場所だ。
文部科学省は2016年の「不登校児童生徒への支援に関する最終報告」で、不登校支援の目標を「学校に登校する」という結果だけに置かず、子どもが自分の進路を考え、社会的に自立していくことに置くべきだとしている。
不登校の子に「なぜ学校に行けないの」と聞いても、答えが出てこないことが多い。教室の音、人との距離感、朝の支度などなど、どれが負担なのかは本人もうまく言葉にできていない場合がある。
最近よく聞かれる「ニューロダイバーシティ」という言葉も、ここに関係している。人の感じ方や学び方には自然な幅があり、それを欠陥ではなく特性として見る考え方だ。教室の音や光、集団行動の負担が、ある子にとっては想像以上に大きい。これは甘えではなく感覚や受け止め方の違いの話だ。
一方で学校側も変わる必要がある。学校の仕組みや授業のつくり方自体を、多様な子どもがいることを前提に見直す。これがインクルーシブ教育の考え方だ。子どもの特性理解と、学校側の環境整備。この両方が揃わないと、どちらか一方は理念で終わり、もう一方は現場の個人努力に丸投げされる。結果として、家庭が孤立していく。
実際に保護者の声で多いのは、「どのように相談していけばよいのかわからない」という疑問だ。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センター、フリースクール、ICTを使った学習支援など、選択肢自体はすでにある。
問題は、情報があることと、困ったときに迷わずそこへたどり着けることが、別だという点だ。窓口を作っただけでは、支援は機能しない。行政に求められているのは、安心できる環境を整え、状況を見立て、家庭と一緒に選択肢を探す体制をつくることだ。
学校は大切な場所だ。それは間違いない。ただ、教室だけが学びのすべてではない。子どもが「また学びたい」「人とつながってみたい」と思えたときに、すぐ手を伸ばせる仕組みがあるかどうか。そこが、いま行政に問われている部分だと考える。(八千代市議 飛知和真理子)。
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