リレートーク28 陶芸家 今井梨絵さん

ふれあい毎日

暮らしの一瞬一瞬と丁寧に向き合う陶芸家  酒々井町

 酒々井町に工房を構える陶芸家の今井梨絵(いまいりえ) さん(46)は佐倉市の生まれ。錆浅葱(さびあさぎ)と白泥(はくでい)の化粧土を使い、落ち着いた風合いの作品と、やきしめのシリーズを作陶する作家だ。

 2004年武蔵野美術大学陶芸コース卒。益子の横山陶芸に勤務の後、2007年から同町にて作陶を始め、2011年には笠間市に工房を持った。酒々井町へ工房を移転したのが2015年。

 陶芸家を志したきっかけを、「大学生の時に出合った岩や種のような形の陶芸作品。植物や花が生けてあり、植物が岩に生えていたり、種から花の茎が出ている光景に啓示のようなものを受けた」と語る。

 うつわの魅力は「経年変化を楽しめること。使っていくことで時間の流れとともに変化していく様子を見ることが出来る。特に錆浅葱の色が好き」。制作するときに大切にしていることはうつわの肌触りだという。手に包み込んだ時の感触は深く記憶に残るものだ。

 存在感があり、花や料理を引き立てる控えめな色は、今井さんの目指す作品のコンセプトそのもの。今井さんの珈琲カップを初めて目にしたお客さんは手に馴染む美しいかたちに魅了されるという。

 12、3年前にある酒蔵の創立90周年の記念品として、1年ほどかけて同じ作品を1500個制作したことがあった。轆轤は上達したが、エネルギーが切れてしまい、次は何をしようかと悩んだ時期もあった。

 作品制作のアイデアは石や化石、古い道具や建物から得ている。人の意識が入って狙って作ったものではなく、時間を重ねたものや無作為の美に創造のヒントを貰っているという。

 「新しい試みとして、壁に掛けるプレート状の時計を考えている。プレートも多く作って来たので、日常のインテリアとして部屋に飾る時計を作って行きたい」と次なる展開に夢を膨らませる。

 インタビューをしながら、作品は作家そのものであると強く感じた。優れた技術で、的確にデザインされ、時とともに変化していくうつわには、暮らしの一瞬一瞬と丁寧に向き合う陶芸家の精神性が現れている。

■今井梨絵さん個展
▽期日:7月23日(木)~8月3日(月)。12時~18時。火水曜定休日。

▽会場:tamaya café(JR酒々井駅東口より徒歩3分)P3台あり。

tamaya caféインスタグラム

今井梨絵さんインスタグラム

●次回はときたそさんにバトンを渡します。

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