「歯周組織再生療法の現在」保険診療でも再生療法が普及されている!
DRリポート267

日本大学松戸歯学部歯周治療学講座教授 中山洋平先生
歯周外科治療とは
歯周病治療は、基本的に歯周病原菌(プラーク)の除去、リスク因子の除去、嚙む力のコントロール(嚙み合わせ調整、入れ歯や仮歯の装着)です。これは歯周基本治療と言われます。その後、歯周病検査を行い、骨の吸収を伴った深い歯周ポケットが残存した場合、歯周外科治療で骨の凹凸を平らにして歯周ポケットを浅くする必要があります。
もっとも汎用されている歯肉剝離掻把術(FOp)について説明します。部分麻酔下で歯茎にメスを入れ、歯茎をめくり、不良な組織や、歯周基本治療で取り切れなかった歯石を除去します。こうすることで、歯周基本治療では見えなかった部分が直視することができ、確実に病変部を除去することができます。骨の形態によっては、再生療法を選択します。歯茎を糸で縫合して終了となります。
歯周組織再生療法とは
歯周病による骨吸収は、全体的に吸収していく部分(水平性)と、部分的に斜めに吸収していく部分(垂直性)があります。垂直性の部位は再生療法に適しています。手術方法はいくつかあり、これらを組み合わせることもあります(表1)。

2017年より塩基性線維芽細胞成長因子(FGF-2製剤、リグロス®)が使用でき、国内では保険診療で行える歯周組織再生療法として広く普及しています。前述のFOpのように手術を行い、歯茎の縫合の前にリグロス®を注入します。手術後1~2週後に糸を取ります。術後最低3カ月を経てから歯周病検査やエックス線検査で評価します。手術後は、定期的に歯周病検査と口腔清掃を受ける必要があります。
歯周組織再生療法の現在
歯周組織再生療法は、一般の歯科医院でも行う時代になりました。しかし、歯周組織再生療法は完全ではありません。手術をするまでの歯周病治療の状態、骨の吸収形態など、多くの因子に左右されます。歯周組織再生療法による「再生」には限界があり、術者の先生と患者さんの「再生」のイメージが異なることがあります(図1)。

様々な手技や材料の使用で100%の「再生」を目指しますが、先生とよく相談の上、同じ認識で手術を受けることが重要です。日本歯周病学会の認定医、専門医が在籍している医療機関は、同学会のホームページで確認でき、より専門的な知識と技術を持った先生を検索することができます。歯周病治療は、重症度や術後の管理を考えると、5年以上かかることも多々あります。長年診てもらいたいと思える信頼性の高い先生を受診することも大切です。
■日本大学松戸歯学部付属病院☏047・360・7111(コールセンター)☏047・368・6111(代表)
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