旅スケッチ「幕張町周辺」千葉市

変容する街 土地の記憶を持ち続けること

 この夏は猛暑の日が続いた。暑さがちょっと和らいだので海風を感じに幕張町(まくはりまち)方面に向かった。

京成幕張駅で下車、すぐ目の前に県指定史跡「青木昆陽甘藷試作地」があった。八代将軍吉宗の命により、青木昆陽が薩摩芋の試験栽培に成功した所だ。幕府の事業として実施したため、全国に影響を与えた。開発が急速に進む場所で古い史跡を守るのは容易ではない。土地の記憶を持ち続けることについて考えながら、本殿まで歩く。

 線路の向こうに「カフェ・ド・パピヨン」が見えた。画家のサラさんが幕張町にカフェをオープンしたと聞いていたが、ここにあった!店内でアイスティーを飲みながら、テーブルの上の再生可能なプラスチックについての冊子を手にとる。サラさんの豊かな色彩と楽しいイラストによる10ページもの内容はわかりやすい。これを無料で配布しているのは驚きだった。

 JR幕張駅方面へ戻り、小さな商店街を散歩する。古書店の横に絵画教室のポスターを発見。銅版画、幼児クラス、子どもクラスとある。幼児クラスの作品を見てみたいものだ。

 商店街には必ずある焼き鳥屋。ここはY字路の角に店を出しているため、二つの道に面しているのが面白い。突然、メロンパンの店が出現。焼き鳥と同じようにメロンパンも好きな人は少なくない。

 国道14号を渡ると、ケヤキ並木が続き、街の様子が一変。放送大学、県立保健医療大学、東都大学などの文教地区だ。 
その先の県立幕張海浜公園に入ると、樹木の奥に聳え立つホテル群の姿が威容を誇っていた。

 JR海浜幕張駅へ着いた。改札口から出てきた人の波は球場方面に向かって流れて行く。今日のナイターはロッテVS西武だそうだ。

 改札口前に珈琲の期間限定ポップアップショップを見つけた。「ウシクニカフェ」だ。市原市を走る小湊鐵道線の上総牛久駅に併設されている自家焙煎コーヒースタンドからの出張販売のようだ。

 ちょうど珈琲豆が切れていたので2種類購入した。ナッツの風味が心地よい深煎りの「ダーク・ロースト・ブレンド」とすっきりした飲み心地で、チョコレートのような甘味が続く「ペルー」。

 電車のカタチのペンケースを子どものために購入している母親もいる。ウシクニコーヒーは小湊鐵道と提携しているので鉄道関連の文具も商品のひとつだ。周辺に都市機能を備えた海浜幕張駅で上総牛久駅前に広がる豊かな自然に思いを巡らせた。

◆今回の散歩データ 3キロ、約2時間。 
【たっちゃん】千葉県在住。ワインを愛し、テーマに沿って、アートとレコードを楽しむ会を主催する。古書探索と街歩き、料理作りが日課。

この記事を書いたライター

今月のプレゼント