歯周病治療は口腔清掃管理だけではない!

DRリポート266

歯周病検査と歯周病治療の種類

日本大学松戸歯学部歯周治療学講座教授 中山洋平先生

歯周病の原因菌と量

歯周病は歯垢中の歯周病原菌によるものです。特にRed complexと呼ばれるPorphyromonas gingivalis(P.g菌)、Treponema denticola、Tannerella forsythensisが有名です。その中で、歯周病患者の口腔内で多く検出されるのはP.g菌です。これらの菌は酸素を好まないため、深い歯周ポケットで増殖します。
歯周病治療を行う上で、まず口腔清掃状態を把握する必要があり、赤く染色して記録するプラークコントロールレコード(PCR)が代表的なものです。このようなPCR等の清掃状態・歯垢残量の把握がまず重要です。

歯周病検査とエックス線検査

歯周病検査では、プロービング深さ(歯周ポケットの深さ)、プロービング時の出血(BOP)、歯の動揺度の測定を行います。歯周病で歯茎が腫れていたり、歯を支える骨が吸収していたりすると、歯周ポケットは深くなります。そのため、歯周病の評価としてエックス線写真による骨の評価は必須といえます。歯茎が腫れているだけの「歯肉炎」と、骨の吸収を認める「歯周炎」の差がはっきりと分かるからです。
BOPは出血の有無を記録です。「現在、炎症がある」という指標です。歯周病の診断を受けた場合でも、BOP陰性(日頃のブラッシングが奏功し炎症が軽度)である場合、BOP陽性(口腔清掃状態が不良な時に多く炎症が強い)である場合があり、個々あるいは口腔内部位別にさまざまです。つまり、年月をかけて破壊されてしまった「破壊の程度」を調べる検査、出血の有無を調べる「現在の炎症」を評価する検査、これらを用いて、総合的に歯周病の状態を評価します(表1)。

歯周病のリスクファクター

歯周病の進行には歯周病原菌が必須ですが、口の中の環境によって、歯周病の重症度・進行度がさまざまです。歯周病原菌(歯垢)が溜まりやすくなる因子(プラークリテンションファクター)として、歯石沈着、歯並びの不良、口呼吸、不適合な詰め物、被せ物などがあります。
また、噛む力の影響で歯周病の悪化が早いことも知られています。歯ぎしり(噛み締め含む)がその代表です。また、歯周病や虫歯で失った歯が多いのに放置していた場合、残存した周囲の歯は過度な力が加わります。そのような状態も歯周病を悪化させる要因となります。
歯周病原菌が住みづらい環境づくりは、口腔清掃状態の改善や歯石除去(スケーリング)などを行い、歯周ポケットを浅くすることで達成できます。しかし、これらのリスクファクターを口の中全体的に診断し、それぞれの問題点を除去・改善するための治療も、歯周病治療に含まれるのです(図1)。


■日本大学松戸歯学部付属病院☏047・360・7111(コールセンター)☏047・368・6111(代表)

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