ふなラ~ン「学び」を照らす船橋の灯 参加費無料自主夜間中学 船橋市

ふれあい毎日

船橋市内の公民館で小学生から高齢者まで多様な世代が学ぶ自主夜間中学「ふなラ〜ン」が開催されている。義務教育を十分受けられなかった人、不登校の児童生徒、日本語を学びたい外国籍住民に学び直しの場を提供するもので、2023年2月に開校した。

運営は地元企業経営者らの一般社団法人ふなばしリカレント教育協会。船橋市教育委員会との官民共催事業で、市が公民館、図書館を無償提供し広報を支援する一方、運営は民間が主導する。

発起人の相澤友夫氏は中小企業家同友会で30年の経験を持ち、「地域は自分たちで作る」との理念のもと仲間と勉強会を重ね事業を立ち上げた。資金は行政助成に頼らず、クラウドファンディング約160万円と地元有志の寄付で賄う。「自主夜間中学」という言葉から生じかねない偏見を避けるため、「ふなラ〜ン」の愛称を付けた。

現在は浜町公民館、葛飾公民館、中央図書館の3カ所で週3回開講。参加費無料、申込不要で1回約10〜15人が参加。講師は元教員や公募の市民ボランティア約60人。生徒が学びたい科目を自分で選ぶ形式で、葛飾校では教え合うピア・ティーチングも取り入れる。教室を走り回っていた子どもが落ち着いて学ぶようになった例や、塾になじめなかった生徒が高校進学を果たした例もある。

葛飾校は近隣に中学校があり、不登校やヤングケアラーなど多様な背景の子どもも受け入れる。公民館は飲食禁止だが、フードバンクのお菓子を配るなど子ども食堂的な工夫も行い、夏休みには読書感想文教室も開く。講師は無償で交通費のみ実費支給だが、世代を超えた交流と生徒の成長を見守る実感が原動力になっているようだ。

支援が必要な子どもにつながるには地道な働きかけが欠かせず、学びの場と安心できる居場所の両立に現場は試行錯誤を続ける。印象的だったのは生徒への接し方だ。無理強いも詮索もせず、隣に座って共に考える。そのフラットな関係性が、学校でも家庭でもない居場所として機能していると感じた。

「ふなラ〜ン」の民間主導、行政共催という形は、制度の隙間からこぼれる子どもたちを支える一つの方法かもしれない。船橋の夜に灯る小さな教室の明かりは、誰もが学び直せる社会の希望を照らす灯だ。行政と民間、地域住民が手を取り合うこの活動は、地域共生社会の一つのモデルとなるはずだ。

ふなばし自主夜間中学「ふなラ〜ン」 | 誰にでも自由な学びを
ふなばし自主夜間中学「ふなラ〜ン」は、さ…

この記事を書いたライター

今月のプレゼント