「うっすら香る」でも、つらい人がいる

「給食の白衣の香りが強くて、着るのがつらい」。そんな相談を受けたことが、香害について考え直すきっかけになりました。

柔軟剤も洗剤も香水も、暮らしの中にごく普通にあります。好きな香りにほっとすることだってある。その一方で、同じ香りで頭痛や吐き気が起きる人がいます。いわゆる香害です。

八千代市内の学校を確認してもらったところ、数校で給食白衣の香りについて相談が寄せられていました。専用の白衣を貸し出す、自分のエプロンを持ってきてよいことにする。学校ごとに対応してくれています。

この話を職員さんとしていたとき、「白衣は一週間使うものだから、そこまで香りは残らないと思うんですよね」という話になりました。そう感じるのも無理はないと思います。ただ、一週間ずっと着ているわけではない。着るのは給食の時間だけです。私たちが「うっすら香る程度」と思うものでも、つらい人はつらい。

分かりにくいのは、たぶんここです。自分には何ともないものを、つらいと感じる人がいる。その感覚を自分の身に置き換えて想像するのは、案外難しい。

国でも、消費者庁をはじめ関係省庁が「その香り 困っている人もいます」と周知を続けています。本市でも消費者庁からの依頼を受けて、市立小中義務教育学校では香りへの、配慮の対応をしています。

ただし、香りと体調変化の関係には、科学的にまだ分かっていない部分もあります。だから、香りのある製品を使うなという話ではないし、誰もが常に誰かに合わせるべきだという話でもありません。知ってほしいのは、「自分は気にならないけれど、これがつらい人もいる」ということだけです。

知っていれば、共用の白衣を洗うときに少し気をつけることができます。誰かに「香りがつらい」と言われたとき、「そんなことで?」ではなく「そういうこともあるんだ」と受け止められるかもしれません。

全部を誰かに合わせるのではなく、まず知ること。目に見えない困りごとだからこそ、知っている人が少しずつ増えていけばいいと思っています。(八千代市・H子)

この記事を書いたライター

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